ひとくちにシュラフ(寝袋)といっても、意外にも初心者が選びづらい&失敗しやすいキャンプギアの一つ。
というのも、そもそもシュラフには、主に夏用と冬用、そして3シーズン(春・夏・秋)の3種類があり、くわえて形状や中綿素材も様々なので、ある程度知識を持っていないと、どれを選んでいいのか分からないんですね。
ここではそんなビギナーの方向けに、シュラフの種類とそれぞれの特徴をお伝えしていきます。
自分のキャンプスタイルに合ったシュラフ選びの参考になればと思います。
シュラフ(寝袋)の種類と特徴
シュラフ(寝袋)の種類は大きく「封筒型(レクタングラー型)」「マミー型」「人型」の3タイプに分類されます。
封筒型(レクタングラー型)
長方形の形をした封筒型は、上から下までの幅が同じタイプのシュラフです。
布団のようにゆったりとした使い心地が特徴ですが、体への密着度が低く、マミー型と比べると保温性が下がります。
反面、ファスナーの開閉がしやすく温度調節が容易で、同じモデルのシュラフがあれば連結して使えるのがメリット。
開けば掛布団/敷布団としても使用できる使い勝手のよいタイプです。
マミー型
ミイラを意味するMummy(マミー)に由来する「マミー型シュラフ」。
体に密着する構造はマミーの名前そのもので、封筒型よりも高い保温性を誇り、寒い時期や標高の高い山岳地帯などで多く使用されます。
また、封筒型に比べると軽量でコンパクトなモデルが多く、ツーリングやソロキャンプなどでもオススメです。
ただ、シュラフの中で動きづらいのと、夏などの暑い状況におけるキャンプには向いていません。
人型
「人型」とは、読んで字のごとく、人の形をしたシュラフです。
寝袋に入ったまま歩いたり、手を出して作業したりと、行動的でユニークな形状をしています。
保温性は高くないですが、着たまま行動できてそのまま寝れる、過ごしやすい季節のキャンプや面倒くさがりな方(?)には持ってこいなタイプのシュラフです。
その他
人型だけど上下でセパレートできるシュラフ、封筒型とマミー型のハイブリッドな「エッグ型シュラフ」など、各メーカーから様々なタイプがリリースされています。
選び方のポイント
シュラフ(寝袋)選びで重要なのは以下のポイントです。
・中綿の種類
・持ち運び/収納性
・メンテナンス性
ポイント1:使用する季節や場所
前述したように、シュラフには「夏用」「冬用」「3シーズン用」の3種類があり、形状や中綿によって最適な季節や温度が変わってきます。
とはいっても、すべてを理解して使用するのはビギナーには困難なため、まずは「使用温度目安」を確認して購入/使用するのがおすすめです。
基本的に市販のシュラフには「使用温度目安」が設定されており、記載の温度+5℃が快適に使用できると言われています。
ポイント2:中綿の種類
シュラフの中綿は主に「ダウン」と「化繊」の2種類です。
ダウンは軽量で寝心地もよく、気温が低い際のキャンプで重宝されますが、高価で保管・メンテナンスが大変になるというデメリットもあります。
メンテナンスが雑だと、簡単にカビが生えたりヘタったりするので注意が必要ですね。
「化繊」は耐久性が高く、値段もお手頃、そしてメンテナンスも簡単なものが多いです。
最近では化繊も様々な素材が開発され、保温性も向上し、特にファミリー層やビギナーさんにおすすめです。
ポイント3:持ち運び・収納性
家族キャンプやオートキャンプがメインで持ち運び・収納性を重要視するのであれば「封筒型」、ソロキャンプや寒い時期のキャンプ、登山やツーリングなどの荷物が制限される環境であれば「マミー型」がおすすめです。
また、中綿の重量が収納性に大きく影響するため、素材や保温性、量など、総合的に判断して選ぶ必要があります。
ポイント4:メンテナンス性
人間は寝ている間にも汗をかきますし、キャンプで使用すると汚れてしまうこともあります。
「洗う」そして「乾かす」がメインのシュラフのメンテナンスですが、表面素材や中綿の種類によってメンテナンス方法が変わってきます。
基本的にはシュラフに「丸洗いOK」かそうでないか記載があり、丸洗いが不可となっている製品については「手洗い」で対応します。
メンテナンス方法については細かく説明すると長くなってしまうため、とりあえず初心者は「化繊」素材の「丸洗いOK」なタイプがよいと覚えておきましょう。
シュラフの使い方
マットやコットと一緒に
テントとシュラフだけでは対応しづらいのが『地面の冷たさ』と『地面の凸凹』です。
特に『地面の凸凹』に関しては対応が難しく、マットや近年のキャンプシーンで流行しているコットなどで対策する必要があります。
車中泊にも使える!
車中泊の経験がある方であればご存じかと思いますが、いくらフルフラットになる車種でもそのまま毛布やブランケットを掛けて寝るというのは、中々に酷です。
かといって、ずっとエンジンを掛けておくのも危険です。
そんな時にシュラフ(寝袋)があれば、シュラフ本来の保温性と寝心地の向上が見込めます。
防災グッズとして
シュラフ(寝袋)は、災害時などの『暖』が取りづらい環境下においても活躍します。
特に寒い季節の停電を伴う災害の際には、生死を分ける重要な役割を果たします。
災害時における睡眠の安定は日中活動や万が一の避難生活に大きく影響してくるため、防災グッズとしてシュラフを用意しておくのは重要な対策といえるでしょう。
2枚重ねで寒い時期にも対応!
保温性の低い「夏用シュラフ」でも、実は2枚重ねることで保温性を高めることができます。
「シュラフ in シュラフ」とでも言いましょうか。
毛布やブランケットなどをインしてもいいですね。
秋・冬キャンプで「夏用のシュラフしかない!」といった状況でも活用できるテクニックです。
ただ、荷物が増えてしまうため、運搬や車載等に余裕がない場合は、できれば季節や気温に合わせたシュラフを用意しておくのが無難です。
編集部オススメ!ビギナー向けシュラフ(寝袋)
まとめ
キャンプ睡眠の質は、翌日の活動に大きく影響します。
「地面のデコボコが痛くて眠れなかった」「寒くて風邪をひいた」なんてことにならないように、季節や気候に合わせたシュラフで快適な夜を過ごしましょう。